【黎明】れい-めい
夜明け。
新しい事柄が始まろうとするさま。
今日も地球は目を覚ます。
柔らかな光と清々しい空気が
あたらしい音を紡ぐ。
空が昨日よりも近づいた気がして
高く手を伸ばしたくなる。
【清澄】せい-ちょう
澄みきっていて清らかなさま。
ひとつの翳りもない青の
触れたら壊れてしまいそうな危うさに
吸い込まれて溶けていく。
溺れないように必死でもがいて
深呼吸をする。
【雲居の空】くもゐ-の-そら
雲の浮かぶ大空。
遠く離れた場所、世界。
同じ空の下 遥か遠くで
君はこの雲を眺めているだろうか。
雲の隙間から天使が舞い降りて
私を連れ出してくれたなら。
【絳霄】こう-しょう
広い空が赤く染まっていくさま。
あたたかな風を纏った
太陽が沈むまでのわずかな時間。
瞬く間にすぎる時間が私を焦らせる。
一瞬でも見逃すのが惜しくて
じっと見つめてしまうのだ。
【夕間暮】ゆふ-まぐれ
夕方の薄暗いさま。
夕暮れの闇にまぎれるさま。
空は無数の色が溶け合って
君の姿をも闇に包み込む。
自分だけがこの世界に
取り残されていくような感覚に
ひとり静かに涙を呑む。
【宵の口】よひ-の-くち
日が暮れて間もない頃。
夜のまだ更けない頃。
夜の帳が静かに降りる。
風は穏やかに揺れて
万物は家路につく。
太陽の光の名残が
寂しさの影を浮かび上がらせる。
【星躔】せい-てん
月や星の軌道。星のやどり。星空。
昨日でも今日でも明日でもない
時のはざまに
期待と後悔と不安を抱きしめて
藍色の空に飛び込む。
そして、夢の中へと身を委ねる。
【東雲】しののめ
東の空に明るさがわずかに動くころ。
明け方に東の空にたなびく雲。
長い夜の幕が閉じる。
私の願いとは裏腹に
夜は静かに駆け抜けて
留まることを知らない。
新たな朝が訪れる。
そして、夜が明ける